REINCARNATION〜永遠の果てに君を想う〜
伸びっぱなしの髪やヒゲから覗かせる目元もシワひとつなかった。
肌もたるむこと無く、急いでヒゲを剃り
伸びた前髪を後ろで束ね、まじまじと鏡を見直す。
あの時のままだった。
高校生の時から何ひとつ変わっていなかった。
自分の体に何が起きているのか特定為るため部屋へ駆け込み、勢いよく扉を閉めた。

バタン!!!!

音に驚いた雅哉が秋人の部屋へと向かった。

トントン

「アッキー?どうしたの?」

・・・・・・・・

「アッキー?入るよー?」

「ダメだ!!」

「どうしたんだよアッキー」

「あとで全て話す!今はダメだ!」

声を荒げる秋人。
心配そうな表情を浮かべつつ雅哉はその場を離れリビングに向かった。
部屋の中の秋人は顕微鏡を覗き込み衝撃を受けた。
自分の皮膚から採取した細胞が何度切り裂いても再生を繰り返す。
腹の底から笑いが込み上げた。
何故自分の細胞が再生を繰り返すのか、
そんな疑問が浮かぶよりも先に、腹の底から笑いが込み上げてきて、壊れたように笑い出した。

「椿・・・見つけたよ。君の弟は、僕が救う。」
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