ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
1階に着いてエレベーターが開いたので、私は急いで出ようとしたが、ーーグイッと腕を捕まれてホストのもとに引き寄せられた。
「ちょっ、ちょっと、顔近い!!」
「そんなんじゃないから」
そのホストは眉を下げて、真剣な眼差しで私をみつめた。
「お金なんかいらないし。もちろん、奢り。ただ一緒にお酒飲んだりしてもっと喋って仲良くなりたくて」
「・・・・え?」
「ごめん、ホストが俺の店に来てよって言うのと、カフェとかアパレルで働く子が店に来てって言うのじゃ違うよな」
「・・・・えっと、・・とにかく離してくれる?」
ハグに近い体勢に私は恥ずかしさで耐えられなかった。
私は勇気を出してチラリとその男を見た。
すると、何故か顔を自分の腕で遮り、表情を見せまいとしていたようだが、耳が真っ赤になっていたので、私は驚いた。
・・・・本当、ホストのくせに変わってる。
「俺明日休みなんだけど、一緒に食事しない?あっ、俺の店じゃなくて俺の家で」
俺の家って・・・・、この人何を考えているの?
こっちの警戒心が伝わってない?
空気読めないの?