ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
そして、今日初めての沈黙が訪れた。なにから話せばいいのか分からなかった。先に口を開いたのは、旬だった。
「なつこ・・・・ごめんな?」
「え?」
「なつこのこといっぱい傷つけた。俺、情けないよ」
「旬は情けなくなんかないよ!」
ただ優しくて、誠実な人。旬が真弓さんや真緒ちゃんから騙されてしまったのは、決して旬が情けないからではない。
「今から本当のことを話す。聞いてくれるか?」
「うん」
それから旬が私に話したことは、先日真緒ちゃんから聞いたこととほぼ同じだった。
しかし、真緒ちゃんの名前は一度も出てこなかった。旬はどうやら真緒ちゃんがこの件に関わっていたことは、知らなかったみたいだった。
「俺なつこのことをすごく振り回したし、悲しませた。だけど、今回のことでまた強く思ったよ。俺はなつこのことを愛してるって」
「旬・・・」
「やり直してくれだなんて、そんなこと今の俺に言える資格がないことはわかってる。・・・でも、再び俺にその資格が与えられる時を待ちたい。距離を置いたり、別れることになるまでなつこを散々待たせまくった。今度は俺がなつこの気持ちが整理出来るまで何年でも待つ。だから・・・・もう一度だけ俺に機会をくれないか?」