ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
「今までの私は異常なくらい旬のことが好きだった。だけど今は突き放され続けて、その距離感に慣れてしまった。これ以上、近づくことが怖くなったの。また突き放されたらと思うと・・・・私はもう耐えられない。付き合う前の私たちは近づくことはないけど、離れる心配もなかったし・・・・片想いしていた頃の方が旬を近くに感じた。
それに真緒ちゃんが旬に、私のせいで起きた今回の件のことを話せなくて今も苦しい思いをしているはずだから、私が入るとまた真緒ちゃんは寂しい思いをする。真緒ちゃんは旬とやり直してほしいと私に言ったけど、それじゃ結局繰り返し。誰も幸せになれない。
それに、それに、・・・・あんたも悪い」
その女は俺に頭突きをしてきた。酔っぱらって、ふらふらなために力はなく痛くはない。
そんなことより、この女の言葉の続きが気になった。
「あんたが私をしつこく追い回すから、身近な男があんたしか思い浮かばないのよ。
こんなガキにドキドキする私は、本当終わってる」
そして、その女は俺に頭突きをした体勢のまま眠りに落ちてしまった。
俺のことなんか全く眼中にないと思ってたから、正直嬉しかった。男として見られていたことや、この女が俺にドキドキしていたなんて思いもしなかった。
それから、俺は好きな女が無防備に俺の胸の中で眠るまさに生殺しのこの状況にため息をついた。