ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
そして、それから5分くらいして真緒ちゃんがいる公園につくとベンチに俯いて座る彼女の姿があった。
私が真緒ちゃんに声をかけると、顔をあげた。目からは涙が溢れていた。
「なつこ先生!」
「真緒ちゃん・・・」
真緒ちゃんの隣に座った。少しの沈黙の後、真緒ちゃんが話始めた。
「なつこ先生に1つ言ってないことがある。このことはなつこ先生には関係ないと思ったから・・・・。
実は真緒ね、真弓さんとお兄ちゃんを別れさせるために、拓也っていう真弓さんの過去の思い人と一度寝た。そして協力してもらったの。
だけど・・・・昨日の夜あいつが俺のセフレにならないと真緒のしてきたことをばらすと脅した。真弓さんは刃物を持って家に来たこともあるから怖いし、お兄ちゃんには嫌われちゃうからあいつには黙っててほしいのに。
そして、今日の夜あいつから会って返事を聞かせてほしいって・・・・どうしよう、なつこ先生」
真緒ちゃんは私を不安げな表情で見詰めた。私を頼ってくれたのだから、私が救ってあげないといけない。
「とりあえず・・・・旬には本当のことを話そう。話しても旬は真緒ちゃんを絶対に嫌いになったりなんかしない。冷静に考えたら真緒ちゃんもそうだと思うでしょ?真緒ちゃんのことをどれだけ旬が大事にしてきたか思い出してみて」
ホストの仕事を頑張っているのだって、家に暇を見つけては帰ってくるのだって、家庭料理をなるべく食べさせてあげるのだって、勉強ができる環境が整っているのだって、色々なことにおいて旬は真緒ちゃんのお兄ちゃんであり、保護者であるような責任を果たしていた。
真緒ちゃんが旬の原動力だ。私はずっとそんな妹思いの旬が好きだったし、お兄ちゃん思いの真緒ちゃんも好きだった。お互いの絆は確かなものだった。
そして、真緒ちゃんは大きく頷いた。