ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
突然、斉藤はるかが会話に入ってきた。斉藤はるかは助手席に座っているので、隣にいる運転手さんはビクッと肩をあげた。
「俺、一人で帰る。すみません、止めて」
そして、運転手さんに斉藤はるかがそう言った。運転手さんは戸惑いながらも、すぐに車を止めた。
「ちょっと、いきなりどうしたの?一緒に帰ればいいでしょ?」
「今俺に話かけるな」
斉藤はるかは一度も私の顔を見ずに、本当に車から降りていってしまった。運転手さんは車を止めたまま、こちらの言葉を待っている。
「なつこ先生、追いかけなよ。はるかさん、ひなさんになつこ先生の今日の様子がおかしかったって聞いて、真緒に何があったのか聞いてきた。それで今日凄く心配して来たみたいだよ」
「・・・・うん。ごめん、真緒ちゃん一人で帰って」
私は運転手さんに真緒ちゃんを家まで送らせるように頼んで、タクシーを降りて斉藤はるかを追いかけた。