ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
私は思わず非難の言葉を口にした。苦労知らずのお坊ちゃんに少し呆れた。
「そのお金をあんたにくれたのは誰?もともとはあんたのご両親のお金でしょ?」
「・・・・あー、そうだな」
「そんなお金で奢られても嬉しくない」
「だったら、あんたが払えよ。ATMなら下にあるから」
私のせいで一気に場がしらけた。
光輝く夜景も、美味しい料理も、レストランの雰囲気も・・・・全部が台無しだ。
「・・・・ごめん。他にも言い方があったね」
「いや、正論。俺の方こそ悪かった」
それから会話は勿論弾まなくて、いよいよ最後のデザートまで食べてしまった。
そして、斉藤はるかは食後のコーヒーを飲み終え、席を立ち、さっさとレストランを出ていってしまった。