ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
母親はニコリと微笑んだ。目は笑っていない。
「私が知らないとでも思った?」
もしかして・・・・
「あなたは知らないでしょうけど、私はあなたを母親として監視してるのよ。この間、あなたがうちのホテルでバイトしたという報告を秘書から受けたわ。お父様はあなたがバイトをしたことで、ホテルに愛着をもって接する契機になったのではないかと喜んでた。でも、私は違う。
・・・・もう、言わなくても分かるでしょ?母親の私に息子の情けない行いをこれ以上言わせないで」
どうやら母親は、父親から高校卒業まで自由を与えられ、伸び伸びと暮らしていた俺を長年しっかりと見張ってきたらしい。
そして、女とクリスマスを一緒に過ごしたことがばれて、きっともうその女が俺の担任だとういうことや、家が隣で出入りしている仲だということも調べがついているはずだ。
「あなたは斉藤家を継ぐ、大事な一人息子よ。あなたに相応しい対等なパートナーを見つけなさい」
「言いたいことはそれだけ?」
「・・・・今日のところはね。あと、お見合いは来週だから」
「行くわけねーだろ」
「行かなかったら、ばらすわよ?困るのはあちらの方よ。生徒に手を出すなんて犯罪だもの」