ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
「好きな人がいる。だから、その人以外考えられない」
「結婚してもその人の元へ行っても構いません。最終的に帰ってくるのが私の元だったら」
ただのマイペースな箱入りお嬢様ではないらしい。面倒くさいことになる予感がする。
「それにしても、はるかさんはおかしなかたですね。好きな方がいるから婚約できない?婚約は既に決まっていることですよ」
「は?」
「もっとビジネスに考えません?子供の恋愛をとるなんて・・・・それでも一流ホテル業界のご子息様ですか?」
「これでもな。不安に思うなら、もっと将来安泰な会社のご子息にしとけば?」
すると、口を手で隠しておしとやかに笑うその女。あざとさといと言うよりは、したたかな女だと思った。
「私、はるかさんのこと気に入りました。今度、はるかさんが好きなその女性の方のお話も聞きたいです」
何でそんなことが聞きたいのか、真っ直ぐに俺を見つめて言うその女から意図は伝わってこなかった。
「今度とかもうないから」
「ないと言うのなら、作ってみせます」
そう言ってその女はふわりと笑った。