ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】










私は静かに耳を傾けた。







「俺はホストをしていなかったら、離婚しなければ、美帆とは出会えて結婚してなかった。そして、お前のお母さんも今の再婚相手と幸せに暮らせてなかった。・・・・つまり、道は1つに繋がってるんだ。今、なつこが決断したことは逃げたわけじゃなくてきっと何か意味があるはずだ。回り道をして苦労したお父さんだからこそ、行き着いた今の幸せがあるんだよ。そしてはるかくんがなつこの運命の相手なら、きっとまたたどり着くはずだ、そこに」













‘’私とはるかが物理的に離れることはきっと変わらない。その時期が早くなっただけ‘’


私は内心、お父さんに電話する前にそう思いこもうとしていた。その方が楽だから。







だけど、お父さんに言われて確かにそう思った。もしも、はるかと私が離れることに何か意味があるのなら、また会えるはずだ。





 






「なつこは・・・・教師が好きか?」


「うん」


「なら、こっちで予備校や英会話教室とかで英語講師をすればいい。逃げるんじゃなくて、新しいことを始めるんだ

 
「ありがとう、お父さん」

 









私はその日、はるかへ手紙を残して家を出た。



その手紙には、【いきなりいなくなる私を許して下さい。私ははるかと離れて暮らすことを選びました。はるかと過ごした時間はとても幸せでした。ありがとう。さようなら】と書いた。それだけ書くのに何時間もかかった。






私はそれをはるかのポストにいれて、マンションを出る前に、「ばいばい」と泣くのを我慢しながら呟いた。


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