ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
「はぁ・・・・疲れた」
私は仕事を終えると、旬と待ち合わせをしているホテルのレストランに向かった。
レストランの前でぼーっと突っ立って待っておくのも恥ずかしいので、予約してあるテーブルに座って旬を待つことした。
そして、お店の予約の時間を30分を過ぎても旬はやって来ない。私はチラチラとこちらの様子を伺うウェイターさん達に申し訳なくて、旬が早く来ることを願った。
携帯を見ても、連絡は来ていない。朝送った『お誕生おめでとう』というメッセージにも返信がない。
誕生日の今日、ホストの仕事は休みのはずだ。毎年そうだった。
誕生日はホストにとって稼ぎ時だけど、店での旬の誕生日はイベントを済ませてからゆったりと誕生日を迎えたいからと、昨日になっている。
それから、5分後旬が表れた。
旬の表情は驚くほど固く、「遅れて、ごめん」とそれだけ言って椅子に座った。
私が、がらにもない格好をしていることにも、気がついていない様子だった。
私は、笑顔で旬に話しかけたが、旬はいつまでも上の空だった。