ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
lessen9 「ほら、あーん」
夏休みになって、3年生の課外授業が始まった。
この時期になるとうちのクラスでさえも、皆真面目に授業を受け始めていた。
「はるか~、俺はもう駄目だ」
上田が休み時間になって、俺の横の席で顔を伏せながらそう言った。
「俺に勉強を教えてくれよ。つーか、何でお前が学年トップなんだよ。神様って不公平だな」
「それが、父親との約束だから」
俺が許された自由は、高校を卒業するまでだ。
あの家から離れて、贅沢な独り暮らしを送って、楽しく遊んでいられる自由を引き換えに、
俺は学校を首席で卒業して、父親の会社をゆくゆくは継ぐ約束をしている。
「お前・・・・なら、本当に行っちまうのか?」
「あぁ」
高校を卒業して、俺の進路は父親のものだ。暫く、“ここ”を離れることになる。
だから、上田達とも・・・・あの女とも会えなくなる。