ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
俺がそう答えると、その女は俺の前の席を立って、俺のソファの隣に腰をかけた。
そして、キラキラとした目で俺の手を両手で握って言った。
「はるかさんって、やっぱりカッコいい!!惚れた女の幸せを願って自分は身を引くなんて」
「黙れ」
もしも、俺が“ここ”を離れずに、この先ずっとあの女教師の側にいられるなら、俺はこんなこと思わなかったはずだ。
「安心して。真緒がはるかさんのことはもらってあげ「で?さっきの質問の答えは?」
俺がその女の言葉をそうやって遮ると、「ふんっ」とそっぽを向いて、そのまま暗い表情で何かを考えていた。そして、ゆっくりと口を開いた。
「お兄ちゃんが距離を置こうって言ったのは・・・・お兄ちゃんの誕生日の前日にあった出来事が原因だと思う。誕生日の早朝にお兄ちゃんが家を帰って来て、真緒は物音で目が覚めちゃったんだけど・・・・お兄ちゃんその時の様子がおかしかった。首もとやシャツの背中にキスマークがついてたのに、泣きそうな顔してたの。エッチしてきたくせに、どうして悲しい顔?普通、逆だよね?その日から、お兄ちゃんはまるで脱け殻で。なつこ先生とは距離を置くから、真緒まで会うなって怖い顔で言われたの」