ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
その夜、早速桜井真緒から電話がかかってきた。
内容はもちろん、こいつのお兄ちゃんのことだった。
「真緒ね、お兄ちゃんの部屋勝手に入っていろいろと物色してたらね、緊急避妊薬についてのパンフレットを見つけちゃったの。・・・・もしかして、お兄ちゃん本当に浮気しちゃったのかな?」
こいつの話を整理すると、ホストは誕生日前日に他の女とセックスをした。妊娠する可能性があるセックスをしたために、その後女と産婦人科に行って緊急避妊薬を処方してもらった。
ホストが女教師と距離を置くのは、その女の様子を見るため。その女が妊娠してなかったらおそらく女教師とよりを戻して、もしもその女が妊娠してたら責任をとるつもりなのだろう。
「“あいつ”にはまだ言うなよ」
「え?」
物事がはっきりしてから知れば、目的地は分かる。しかし、今知ったら必要のない不安や悲しみを与えてしまうかもしれない。
とりあえず、様子を見たほうがいいかもしれない。俺は電話を切って、ベッドの上に寝転がった。