ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
「はるかちゃんはとても不器用だけど、」
「・・・」
「優しいよね♪」
満面の笑みを向けられた。俺は苦しくなった。
こいつに向けた優しさは、きっとそんな綺麗なものじゃない。
こいつの生徒でガキの俺が、大好きな彼氏がいる女を手にいれたいと思うことは、とても無責任なことだ。この気持ちは留まらせるべきだ。
「はるかちゃんは周りの人のことよく見てるよね。だって、私が辛いと思う時にいつも側にいてくれる。今だって、そう」
「・・・」
「旬からね、連絡がもう2週間も来ないの。毎日が寂しくて、不安で、もう私から振ってやろうかとも思う。だけどね、あまりに私たちは側にいすぎた。思い出や私の気持ちはそう簡単には消えてくれない。ずっと胸の奥にあるものだから」
俺は黙ってこいつの話を聞いた。
少しでも他の人に話すことで、気が楽になればいいと思う。
「う、ひっく・・・・」
泣き出したこいつの頭を俺の肩にもたれさせた。学校でみる教師のこいつはしっかりと胸を張っているのに、‘女’のこいつはとても脆い。