ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
それから、旬は一呼吸おいて続けた。
「・・・・店では俺の誕生日になっていた日に、たくさんの人が店に来てくれて、いっぱい飲んだからすごく酔っぱらってて、ずっと誘われ続けてた真弓のアフターでご飯食べ行って・・・・それから先の記憶がなくて朝起きると俺も真弓も裸で。まさかしてないとは思ったけど、真弓は俺としたって言い張るし、真弓の全身にキスマークもあって・・・・俺、よく自分のしたことが分からなくなって」
旬が私と距離を置こうといった理由がやっと分かったよ。私は苦しそうな表情で語る旬を見ていると、私も同じくらい苦しかった。
「もしも、真弓と本当に過ちがあったのなら、なつこを裏切ったことになる。それに、真弓にも申し訳なかった。事実が分かるまでは、なつこと一緒にはいられないと思って距離を置きたかった。なつことは結婚を前提に真剣に付き合ってるわけだから、きちんと真弓とのことはけじめをつけたかったんだ。だけど、俺はこのことをなつこにちゃんと話すべきだった。結局、俺はなつこに嫌われたくなくて言えなかったんだよ」
旬はやっぱり私の大好きな旬だった。
優しくて、責任感が強くて、大人で、私のことを大切に思ってくれている。
今は旬の本当の気持ちを聞けただけで、十分だった。
「私、待ってるよ」
私は微笑んでそう言った。