こんな私が、恋したみたいです。
泣きたいことに、マネの部室など存在しない。


だから女子トイレで着替える。


着替えてる間でさえパンを咥えて、口にすべてをぶち込んだ後はお茶で流し込む。

5分かからずにトイレから出たら、タンクやらボトルやらを外に運び出す。


「ねー、楓先輩は?」


「しらん!学食かもよ?」


「ええええ!忙しいのにいいいいい」


私たちの唯一の先輩、楓(カエデ)先輩。


彼女は涼しくラーメンコースらしい。


私たちに3人は部室あたりを走り回っている。


私たちが水を汲み終わったころに、ラーメン組が帰ってきた。


選手たちはこれから着替えて、グランドに向かう。


私たちはそれより一足先にグランドに行かなければ。


「りっちゃん靴!」


「うぎゃ忘れてたぜ!」

ローファーから部活用の靴に履き替えて、台車を引いてアメフトグランドへ。


後から足音がすれば、両隣にあやのとしーちゃんが並んでくる。


「楓先輩、遅くね?」


「んなー。ラーメンずるい!!!」



マネのおかげで必要以上にでかくなった声で3人で喋れば、それはそれはもうとてもうるさいそう。


まぁ、私たちは楽しいし、それでいい

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