こんな私が、恋したみたいです。
鍵返して、ゴミをゴミ場に置いて、



片方私がやるって言ってんのに、逃げそうだからダメとか、信用なさすぎね



チャリを取りに行ったりっくんを待って、並んで歩き出した。




「家帰んのにどんくらいかかんのー?」



「1時間はゆうに越すよ」



「遠!俺そんなん無理だわ〜」



カラカラと、チャリが私たちの真ん中で音を立てる。



「りっくんはどんくらいなの?」



「30分漕いでれば着く!」



「え、30分も漕ぎっぱ?辛いよそっちのほーが!」



「いーや!チャリのが楽だよ!自分の時間で出れるし!」




「いやいや!5分に1本来るから!寝てれば着くから!」




「いやチャリだね!電車変人いるし!」



「いや30分は辛いって!足もげるわ!」



「坂とかあるし!すぐだよ!」



「…何に張り合ってんの私たち」



正気に戻った私は、バッグを肩にかけ直す


「確かに〜」



りっくんは笑ってて、ゲラゲラ笑ってて



「バッグ、乗せる?」



< 250 / 549 >

この作品をシェア

pagetop