こんな私が、恋したみたいです。
「りっちゃん?」



杏ちゃんがこっちを見る。



私の顔を覗き込む。



「…なに?」


「熱あんじゃん?顔赤いよ?」



「それは…、」



それはそうだ。手置きのように私の頭をずっと押さえてる人がいるんだから。



「んー?」



みんな、私の顔を見てる。



「えっと、ママが買ってきた唐辛子洗顔フォーム、朝間違って使っちゃって」



なんで下手くそな嘘だ。



「もー、顔がひりっひり」



「え、それはやばそう」



だけど、信じてくれたみたい。


「そー!もうなにが楽しくて買ってきたんだろー!」



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