こんな私が、恋したみたいです。
フードコートについて、向かい合って座って、りっくんが教科書だの問題集だのを出す。



机いっぱいに広げて、ここら辺!と指差した。



「りっちゃんここ得意?」



「幸いにも大得意分野」



「まじで!天才かよ!」



「それはないよ!」



あーだこーだ言い合った後に、解説を始めた。



思ったより真剣な顔をして聞いてくれている。



いっつもあんなにふざけてるくせに、やっぱりりっくんは真面目だ。





小一時間経ったところで、休憩を入れる。



「りっちゃんやっぱ天才!」



「違う」



「だって先生よりわかりやすいもん!教師なってよ!」



「無理だって」


「えー、俺の家庭教師ー!」



「1時間1000円で考える」



「時給良すぎ」


笑って、笑って。



「トイレ行ってくるー」



席を立ったりっくん。



私は、携帯を出す。


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