こんな私が、恋したみたいです。
すぐに切れた電話。


「来るって」


「え、ここに?今?」



ずいぶん、慌てた様子。



「うん」



「え!髪ボサボサなのに!!」



やっぱり、女の子だ。りっくんの前では可愛い姿でいたいんだろう。




「大丈夫。十分可愛いよ」


意を決して、言ったんだからな。



「…え?」



だけど、やっぱり、恥ずかしいや。



「ううん、なんでもない。あ、そーだ!今日のりっくんの話聞く?」



「聞く聞く!!」



キラキラした目して、俺の方を見てくる。


しんどいよ。俺はまだ、好きなのに。



他の男のことで、こんなに楽しそうなんだから。



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