こんな私が、恋したみたいです。
「そっかぁ」



呑気な声で、笑ってる。



「うん」



腕の力を強めて、りっくんに顔を埋める。



「どーしたの?」




そんなこと言いながら、私の頭を撫でてくれる。



「別に」



「そっかそっか」



ずっと、このまんまがいい。



多分、長い間ずっとこうしてた。



なんも言わないで、ずっとこうしていられるのが、たまらなく嬉しい。



「…帰る」




そっと、りっくんから離れたら、夏のベタベタした風が頬を撫でた。



「うん。もう遅いからね」




そろそろ、家に帰る時間だ。部活したとしたら、このぐらいの時間。



「うん」


「また、明日」



「…うん。バイバイ」



寂しい。だけど、また明日、会えるよね。



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