こんな私が、恋したみたいです。
「待って!」



お前ばっかに、喋らせるかよ。



「え?なにー?」



笑って、そんなこと言って。ムカつく。



「なんでりっちゃんのこと嫌いなのか、教えて」



最後だ。だから、りっちゃのこと、知りたい。




「どーでもよくね?」



「よくない」



ズルいじゃんか。自分の都合のいいことだけやるなんて。



「えー、だって、ムカつくじゃん?」




ムカつかない。これっぽっちも。



「ブスのくせに」



ブスじゃない。そんなこと言ってるお前のが、よっぽどブス。




「ブスのくせに、いろんなやつに好かれんの、まじわけわからん。嫌いやわ」




「お前、それまじで言ってんの?」



ありえない。信じられないほど、イラついてる。



「そだけど?みんなそーだよ」



「僻みにもほどがあるだろ」



結局、りっちゃんはなんも悪いことなんてしてないんだ。



それなのに、こんなことで嫌われて、独りぼっちになってるんだ。



なんなんだよ。それ。そんなことってあるかっつーの。




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