こんな私が、恋したみたいです。
「りっちゃん、喧嘩したの?」



かどぐちは、心配そうにそう言ってくる。



「ううん」



してないはず。だって、昨日は楽しくバイバイした。



昨日は1回もラインしてない。だから、喧嘩はしてないはず。



やだ、やだやだやだ。



挨拶されなかったって、それだけだけど、ほんとに、嫌だ。



「やっば!宿題してない!!」



この空間が、大好きだった時間が、気まずくて仕方ない。



だから、私はここから出ることにした。



適当な理由をつけて。



「あら、頑張ってー」



「うん!」


手を振って、I組に遠い方の出口から廊下に出る。




もう片方の出口の窓から、こっそり2人を見た。



うん、やっぱり、いっつもは手を振ってくれるのに。



だめだ、やっぱり無視だよ。



< 408 / 549 >

この作品をシェア

pagetop