こんな私が、恋したみたいです。
あの日から、りっちゃんはパタリと教室に来なくなった。



誰とも、喋ってないんだろうな。



声、全然聞かなくなった。



昼飯も、廊下で食ってないね。



教室の1番隅っこ。窓側の1番後ろ。



りっちゃんの席ぐらい、知ってるよ。せめて端でよかった。



ねえ、りっちゃん、なぁ。



俺のこと、嫌いになったかな。嫌われて、当然だけど。



だけど、俺の気持ち、知ってほしい。次話せるようになったら、絶対言うから。



もう、チキったり、しないから。絶対。



だって、りっちゃんいないだけで、俺、こんなすっからかんなんだもん。



あぁ、今日もダメかな。多分、喋れないよな。




いつも通りの時間に、いつも通り、りっちゃんを一目見たくて、トイレに行くふりをする。




いつもは、机に突っ伏して寝ているか、勉強しているか。



あぁよかった、今日も来てる。頑張ってる。そう思って、ちょっと嬉しくなる。



席を立って、トイレに行く。



通り過ぎ様にIを覗いたけれど、いつもの席にりっちゃんの姿はなかった。



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