こんな私が、恋したみたいです。
「神多」




泣けばいいじゃんって、我慢すんなよって言おうと思った。




「…りっちゃん」




「ん?」





「りっちゃん、がいい」




鼻をすすりながら、りっちゃんが呟く。




「わかった」




驚いたし、嬉しかったけど、それは隠して平常心を装う。




そう言ったら、りっちゃんは俺の手を振りほどいて布団の中に隠れてしまった。



そのまま、りっちゃんはずっと泣き続けている。



止むこともなく、ほんとに、ずっと。




「ねぇ、りっちゃん」



少しだけ、緊張したよ。




返事がなくて、聞いているのか分かんないけど。




「こっち、おいでよ」



椅子から立ち上がって、しゃがんでりっちゃんの布団の目線になる。




「…どこに」





少しだけ顔を見せてくれて、睨むように俺を見る。




「ここ」




そう言って両手を広げたら、りっちゃんはむくっと起き上がる。



「……ん」




そっちが来い、とでも言いたげに、今度はりっちゃんが両手を広げる。




だから、ベッドに乗って、りっちゃんを抱きしめた。




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