こんな私が、恋したみたいです。
「でもさ、戻ったところでだよね」





「うん?」




「いじめられっ子に戻って、どーしよっかなー」




ははは、と乾いた声で笑った。




「へーきだよ」




俺が言えたことではないけど。





「なんで?」



おにぎりを箸でつまみながら、俺を見る。




「俺ら、隣のクラスだし。俺、見ての通り暇だし」




一緒にいるよ、なんて、簡単には言えないけど。





「そうなの?」





いつだって笑っているよね。




「そうだよ」




「へぇ〜」




あんまり、興味はなさそうだけど。




「ご馳走さま」





箸を置いて、弁当箱を俺に返した。




「ありがと」




そういうと、うん、と返事をして、向こうを向いた。



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