こんな私が、恋したみたいです。
「そんなに?」




へへって笑いながら、橋森くんの腕の中に収まる。




「そんなに!もっち呼びするなら俺もりっくんがいいんだけど」





怒った声でそう言うけど、腕は優しいままだ。




「ねぇね」




勇気はないけど、顔が見られないなら、聞ける気がする。





「んー?」





夢の中身を、その続きを、知りたい。





「一緒にラーメン、食べに行ったことある?」





「え…?」




腕が緩まるけど、その胸にしがみつく。





「その前に、アイス食べた?その後に、もっちんち行った?」




「りっちゃん、なんで…」





やっぱりそうなんだ。




「へへっ。すごいでしょ」




橋森くんの顔をみたら、とても驚いた顔をしていた。





「すごい!さすがりっちゃん!!」



満面の笑みで、また私をぎゅっとする。




「全部正解だよ!!!」




「うるっさ」





「じゃあ、りっくんって呼んでくれる?」





私の顔を見ながら、首を傾けた。





「…気が向いたら」




少し不満そうだった。





「りっ、くん」



多分、顔が赤い。橋森くんの胸に、隠れなきゃ。








「不意打ちはダメだろー」




ふんだ。言ったもんね。もう知らない。




「りっちゃんもっかい!!」





「やだ」



しばらく、言ってやんない。




えー、と不満そうに私に項垂れる橋森くん。




今日も汗臭い橋森くんに、私ももたれかかった。





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