こんな私が、恋したみたいです。
35.
「…こう?」
「そう!上手!次はね、」
間も無く退院した私は、家で1週間きっかり休んで、今日、初めて部活に来た。
9割型りっくん呼びになったりっくんと、あやのちゃんと呼べと命令してきたあやのちゃんと、今は3人。
今日の部活は午後からだから、その前に勉強!と言われた。
赤点量産らしいあやのちゃんは、頭は相当悪いらしい。
私によく、勉強を教わっていたらしい。
だから、私にものを教えるのは気分がいいと、さっきから満足そうにしている。
今は、りっくんの足を使ってテーピングの練習。
「やっぱ腕が覚えてるね」
訳の分からない巻き方をするけど、自分でも不思議なくらいスラスラと出来る。
「そーかも」
へへっと笑ってりっくんをみたら、暇そうにあくびをしていた。
「粟原、そろそろ」
「あ、そっか!」
じゃあ、今日はこれで終わりね、とせっかく巻いたテーピングをビリビリと剥がす。
「ってぇ〜」
思いっきり剥がされたからか、りっくんは痛みに耐える顔をした。
「じゃ、りっちゃん!お昼ご飯買いに行こ!」