こんな私が、恋したみたいです。
嬉しくて幸せで、その幸せに浸りながら、なくなって欲しくなくて、ちびちびと飲んでいた。





「あ、りっちゃん!明日も来るのー?」





ストローを噛んだまま言っているんだから、面白いよね。





「うん。行くよ」




明日も会えるんだって思ったら、嬉しくて仕方がない。




「じゃあ、朝も一緒に行こう!」




ポケットから携帯を出して、何時の電車?と聞く。





「…も?」





ってことは、帰りも?





「ん?無理?」





心配そうな顔をさせてしまった。




「ううん!無理じゃない!」




嬉しい。朝から会えて、帰りもバイバイできるんだ。





「うん」




そう言ったりっくんの顔はなぜかほんのり赤い。




携帯に目を当てて、それで何時?と少しそっけない。




「えっと、何時だろ」



今日はパパが車で学校まで来てくれた。




いつもの時間を、覚えてない。




「じゃあー、」





私の最寄りを知っているようだ。そんなことまで話したのかな?





「じゃあ、7時12分のやつ乗ってこれる?」




いきなり顔を上げるから目が合った。




ずっとりっくんのこと見てたって、気づかれたかな?




「う、うん、わかった」





すぐにそらして、知らないふり。




「おっけー、じゃあ改札の前にいるからね」



いつも通りにすぐに戻って、ニコッと笑う。




「うん!」




楽しみ。明日も頑張ろう。




幸せな気分で、空になった紙パックを捨てて、バイバイをした。




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