こんな私が、恋したみたいです。
空いている電車の中で、端っこに座る。




1人はやっぱり少しさみしい。





…というか、不安?





家に着くかなとか、明日一緒に行く時間に電車乗れるかなとか、そういうんじゃなくて。





よく、わかんない。何に不安がっているんだろう。





わかんないけれど、どうしようもなくりっくんに会いたい。





さっきまで一緒だったのに。





おかしいよ、私。






「……はぁ」





思わずため息が出る。何だか、明日、りっくんが来てくれない気がする。





それから、帰りも一緒に帰ってくれない気がする。





あと、1回も喋れない気がする。






変なの、何でこんなこと思うんだろう。





『12分だよ!12!!』




ピロンと音を立てた携帯を見れば、りっくんがしつこく2回も言ってくれていた。






『わかった。りっくんこそ、遅れないでよ』







来てよね、絶対。




『俺が遅れるわけないじゃん!!』






そうだよね、何でこんな気持ちなんだろう。




『そうだね』




降りたら、声を聞きたい。




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