君は世界を旅してる
「レイは英語で光って意味。英語の授業で習ったでしょ?それに一条の一で、1番輝く光!」
「……よくそんなの思いつくな」
「それはこっちの台詞だよ。どうせなら、私が言ったほうの意味を信じよう?そのほうがいい」
呆れたような顔で、だけど一条くんは笑った。
仕方ないなって声が聞こえてきそうだ。
「……どうせ自分の過去に行くんなら、産まれた日に行けばいいよ」
「産まれた日?」
「うん。一条くんが産まれた日。そしたら絶対、自分は愛されてるってこと実感出来るから」
絶対、家族3人で幸せな顔をしてると思うから。
それを見たら、澪からさんずいを取ったりなんか出来なくなるよ。
きっとね。
「……じゃあ、そのときは」
「うん?」
「一緒に来てくれるか?」
そう言って、優しく笑いかけられたら、溢れ出してしまう。
一条くんに感謝してる気持ち、尊敬してる気持ち、それから、大好きな気持ちがどんどん膨らんで。
胸の中だけにしまっておけないほど溢れて、飛び出してしまう。
鼻の奥がツーンとして、たまらず一条くんに抱きついた。
「お、おい」
「…もちろん。私も、これから先の未来を一条くんと一緒に見たい。…一緒にいたい」
一条くんの体温を感じながら、心からそう思った。
安心する温度に包まれて、これから先、どんなことがあってもこの人と耐えていこうと決めた。