結婚の約束をしよう
「良かったな!」

「う、うん。ありがと。」

陵は、私が気にしすぎかと思うくらいすぐに、明るく元気ないつもの陵に戻っていた。

「…。」

そっか、陵は私に好きな人がいる事を知ってるから、今更たいした話でもないのかな。

それでも私は、陵に石崎先輩の話はしたくなかった。

今その理由を聞かれても、答えられないのだけど。

てか陵のヤツ、少しくらいヤキモチ妬いたりしないのかな…私と結婚するとか言ってるけど好きだとは言ってこないし、石崎先輩の話を聞いても全然ダメージ受けてないみたいだし。

何なんだ…。

「…。」

こんな事を思う私も…何なんだ、と思う。

それにさっきの…”結婚する?”ってやつ、何でもないフリをしたけど内心はドキドキしてたのに、なんかそれも損した気分。

あんな風に聞かれたら、好きじゃなくてもきっとドキっとするよね…?なんて正当化してみた。

だって私の好きな人は、石崎先輩だから。


つかみ所がない陵だけど、感謝している事も色々ある。



< 113 / 182 >

この作品をシェア

pagetop