結婚の約束をしよう
陵が来たら、どんな顔をすればいいのだろう…。

私はきっと、陵にプロポーズされるかもしれないドキドキや緊張から、いつもより早く目が覚めてしまったんだと思う。

てか私にプロポーズって、本気で言ってるのかな。

だとしたら、私は陵に返事をしなくちゃいけないんだ…。

決めておけと言われたプロポーズの返事……簡単に決めれる訳もなく、今日を迎えてしまった私。


「おはよー。あれ、お姉ちゃん早いじゃん。」

リビングのドアが開いて入って来たのが智沙だった事に、私はいくらかホッとした。

「うん。おはよ。」

「あ、今日お姉ちゃんの誕生日か!おめでとうっ。早くケーキ食べたいね〜!」

「太るぞ、智沙。」

「お父さんには関係ないでしょー。」

リビングが、笑いで包まれる。

「…。」

陵は、まだ来なかった。

もしかして、また外で待ってるとか?

この寒い冬に上着も着てないくらいだもん、あり得る話だよね。

「ちょっと、外見てくる。陵がいるかも…。」


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