結婚の約束をしよう
対する私は、当然笑うなんていう行為など出来るわけもなくーーー真顔で深月を見つめていた。

「どうしたの結愛、怖い顔しちゃって。」

私ーーー…。

「私…夢でも見てたのかな……。」

「あはは、そうかもね。てかこの雨が雪だったらホワイトクリスマスイブだったのに、残念じゃない?」

「う…ん……。」

そういえば智沙の反応も少しおかしかった…まるで陵の事なんか知らないといった風で…。

「ねぇ深月、本当に知らないんだよね、陵のこと!」

「知らないって言ってるじゃん。」

ーーー知らないんだ。

「…。」

夢ーーー…か。

妙にリアルな夢だったな…。

私はこれまでの出来事を夢だと思うことで、心の中をスッキリさせようとしていた。

でも、それでは納得しきれない私が、心の中で反発する。

「明日から冬休みだねー。結愛、一緒に宿題とかしよ?」

深月のどこか浮かれた雰囲気に、私は付いていけていなかった。
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