結婚の約束をしよう
「関係ないわけないだろ!結愛はオレと結婚するんだからな。」

その言葉に、クラス中がどよめく。

そんなこんなで終わった転校初日、オレは楽しい気持ちしかなかった。


そして次の日の土曜日は、朝から結愛の家に行った。

「早く部屋行くぞ、オレには時間がないんだよ。」

結愛は、ぶすっとした表情でオレを見ていた。

そうーーーオレには時間がない…。

昨日夢で見た、病院のベッドで眠るオレが本当のオレだとしたら……多分たくさんの時間は残されていないと思う。

不思議とオレは冷静で、現実を受け入れる事に抵抗感はなかった。

結愛にと持って来たのは、参考書が3冊。

オレにはもう、必要ないだろうから…。

昨日からオレは、結愛のイメチェンを始めた。

勉強もそうだけど、結愛にはもっと自信を持って欲しいんだ。

消極的で目立とうともしない控え目な結愛、変わってないな。

だからオレは、結婚して守ってやりたいと…幼心に思ったんだ。


< 169 / 182 >

この作品をシェア

pagetop