結婚の約束をしよう
そんな事ももう、できなくなってしまったけど…。


制服の着こなし方や髪型を直してやって、部屋も片付けた。

制服姿がダサいヤツは大抵私服もダサい、結愛も例外ではなく、駅前のファッションビルに連れてって、私服のコーディネートもした。


「そうだ、結愛おまえスマホ持ってねーのか?」

「スマホ?持ってるけど…。」

「なんだ、早く言えよ。番号教えて?」

どうしようか迷ったけど、オレは結愛とスマホの番号を交換した。

父さんは律儀な人だから、きっと電話帳に入っている一人一人に連絡をするだろう。

「…。」


結愛ーーー…。

オレが死んだことくらい、知らせてもいいよな…?


火曜日には、結愛の声がどのくらい出るのか知りたくて、カラオケにも行った。

好きなヤツやクラスのみんなと、上手く会話が出来るようにーーー…。

結愛に好きなヤツがいることをオレが知ってた事に、驚いてたな。

オレの実体がなかった時に、偶然にも目撃したんだよな。


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