結婚の約束をしよう
「だよなー、そう言うと思ったし(笑)。」

結愛には好きなヤツがいるんだ、当然の答えだよな。

それでいい……オレが居なくなっても、悲しまずにいられるから。

オレは、笑顔になれた。



「笹野くん、ちょっと…話したいことがあるんだけど。いい?」

「お?おぉ。」

この日の放課後、オレは顔も名前も知らない女子に呼び出された。

「あたしと付き合ってほしいの。」

はい?

オレが転校してきて1週間もしない内にだぞ、よく分からない子だな。

しかも名乗りもしないし。

「ごめん。オレは結愛のことが好きなんだ。」

「でも竹田さんって、好きな人がいるんでしょ?」

「うん。それでも好きなんだ。結婚の約束しててさ。」

ここまで話して、彼女はようやく諦めたような表情になった。

「…ずっと、好きなんだね。」

「あぁ…。」


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