結婚の約束をしよう
ただ、オレはその約束を守れない。

だから結愛が他のヤツのことを好きになってくれて、悲しい気持ちもあるけど…これで良かったんだ。


誕生日プレゼントに欲しい物が決まらないと言っていた結愛に、プロポーズすると言ったオレ。

そこでオレは振られるーーーそうすれば、結愛にさよならを言えると思うんだ。

だから、明日の結愛の誕生日まで……どうか………。




「どうなってんだ…!」

12月24日、結愛の誕生日ーーーオレはまた、実体のないオレになっていた。

少し上からの目線で、ふわふわと漂うような感覚だけが伝わってくる。

「なんなんだよ‼︎」

今日は結愛の誕生日だっていうのに…!

また、戻れるだろうか…。

悔しんでいたって仕方ない、オレは結愛の家に向かうことにした。

「…。」

外は今にも雨が降りそうで、強い風も吹いているというのに、オレは全く寒さを感じない。


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