結婚の約束をしよう
放課後、結愛は深月に急ぐからと告げて、足早に学校を後にしていた。

「この雨の中、何を急ぐんだよ…。」

結愛の考えている事がわからないまま、とりあえずオレは結愛の後に続いた。

傘をさしていてもどんどん身体が濡れていくーーー風が、雨の勢いを増す手伝いをしていた。

オレの身体は、実体がないおかげか濡れはしないけど。


「あ!」

アイツは結愛のーーー!

駅前まできたところで、オレは結愛の好きなヤツを見つけた。

結愛は本当に急いでいるらしく、いつも駅前で遭遇してるそいつの事を気にかける様子もなかった。

「きゃ…っ!」

オレは仕方なく、突風に見せかけ結愛の手からピンク色の傘を奪うと、そいつの足元に転がした。

お節介だな、オレも。

「北中だよね?俺も北中だったんだ。」

「あ、はい…。」

お、会話してんじゃん、頑張れ!

「あの…急ぐんで、すみません。」


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