結婚の約束をしよう
わからない事だらけで、考えるだけムダなのかもしれない。

てかみんなの記憶が消えたのなら、結愛の記憶も消えれば良かったのに…。

その方が、結愛は楽だったんじゃないのかーーーそう思えてならない。

神様のイタズラってヤツなら度がすぎる、今すぐ結愛の記憶を消してくれよ。



この日オレは、結愛が眠ってもそばにいた。

悪趣味だ?

最期なんだ、ジャマすんなよ…。

「…。」

あ、ほら……少しずつ、身体がどこかに吸い寄せられていく感じ…オレはもう逝くんだろ?


「結愛…。」

オレは、気持ちを込めて結愛の名前を呼んだ。

「結愛。」

「う…ん……?」

オレの声が届いたのか、目をこすりながら起き上がる結愛。

「結愛、遅くなってごめん。」

「陵…?」

「あぁ。」

今はしっかりと見つめ合うことが出来る、オレと結愛。


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