結婚の約束をしよう
「よぉ。おかえり。遅かったじゃん。」

リビングのドアを開けると、陵がお茶を飲みながらくつろいでいた。

「陵…何であんたが家にいるのよ⁈」

私の体内から、どっと疲れがでてきた気がした。

「結愛、せっかく来てくれたのにそんな言い方ないでしょ。」

「でも…!」

「陵くん、この子こんなんだけど頼むわね。」

「うん。」

この2人は、いつの間にこんなに打ち解けたんだか…まぁ陵の人懐っこさを考えたら、別に驚くことではないけど。

だいたい頼むって何の話だよ。

「じゃ、結愛の部屋にでも行く?」

…私の部屋⁈

「無理無理ッ!」

慌てて否定したーーー部屋は…さすがにまずい。

「そんなこと言うなって。先行くぞ?」

「やだー!も〜待ってよ!」

強引に私の部屋に向かう陵を、とりあえず追いかけた。

「ここが、結愛の部屋か…?」

私の部屋のドアを開けた陵は、そこに立ったままポカンとしていた。

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