結婚の約束をしよう
「ありがと。3冊もあるけど…陵は大丈夫なの?」

私は机に向かい、紙袋から参考書を取り出した。

「オレのはまだあるから。それより結愛は頑張らないと。ランク下げたくないんだろ?昨日おばさんから聞いたぞ。」

「う……。」


お母さん…そんなことまで話してたのね。

でもそのおかげで陵が参考書くれたなら、ラッキーと思うべきなのかな。

だって参考書なんてたくさんありすぎて、どれがいいかなんてわかんないから。

「わ…。」

パラパラとめくるページの至るところに、陵が書いたと思われるメモ書きがある。

その内容は例や補足だったり…参考書の内容を更に解りやすくするものだった。


「結愛、ちょっと見てみて?例えばこれなんだけど…。」

言いながら陵は、私の後ろから参考書を覗き込み指をさすーーー。

その顔が、背後から私のすぐ近くに……ドキドキを、連れてくる。

「……ッ。」

早く……離れて…近すぎる。


「結愛?どうした?」


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