結婚の約束をしよう
「…。」

陵は、ドキドキとかしなかったのかな。

私は、結構…ドキドキしたんだけどな。


「おー、サンキューな。重くなかったか?」

掃除機を持って帰ってきた私を、陵は笑顔で迎えてくれた。

「うん、大丈夫。それより…。」

「ん?」

「…なんでもない。」

それより、何でこんな朝早くから掃除機なんかかけなきゃいけないのか、って話。

やめようよ、なんて言っても効果はないだろうから言わないけど…。

「よし、やるか!」

陵が掃除機をかけ、私がそれに合わせて床にある物をどかしたりする。

8畳ほどの私の部屋は、すぐにきれいになった。


「ありがとー、陵のおかげで片付いたよ。」

私は素直にお礼を言って、床に散らかっていた雑誌類を本棚にしまった。

「おう。てかこれから現状維持しろよな。でないと結婚してからオレが大変になるだろ。」

「…。」


そ…そーゆう話なの?


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