結婚の約束をしよう
「結愛、駅前のビルに行くぞ。」

「私はどこでもいいよ。」

”行くぞ”って時点で決定したようなものじゃん。

「じゃぁ決まり!今から行っても早いけど、開店待ちでもするか(笑)?」

「まさか(笑)。朝マックしようよ。」

「おぅ、朝マックしよ。で、買い物な。」

「うん。」

駅前のビルとは、電車で3駅ほど行った駅前にあるファッションビルの事で、街の中心的な存在なので、他にも色々とある。

ちなみに家からの最寄り駅は、石崎先輩とたまにすれ違うあの場所ーーー。

石崎先輩もこんな風に、誰かとデートしたりするのかな…。

そうだったら嫌だな……。


あ、私と陵の今日は、デートじゃないけどね!

「何してんだよ。大丈夫か?」

無意識のうちに頭をぶんぶんと横に振っている私に、おかしな人でも見るかのような視線を送る陵。

「な、なんでもない!大丈夫だから!」

「ふーん。ほら、切符。」

そう言って、2枚ある内の1枚の切符を私に差し出した。

ハタから見たら、デートに見えそうなやりとりかも…。


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