結婚の約束をしよう
「…ありがと。」

てか陵のヤツ……意外にも気が利くじゃん。

陵もこうやって…誰かとデートしたりした事があるのかな。

私は切符を受け取ると、陵の後に続いて改札を抜けたーーー。


駅前に着いてからまず朝マックをした私たちは、次に若者をターゲットにしているであろうファッションビルに入った。

「私、久々来たかも…。」

「そうなのか?たまには行けよ。」

明るい照明に軽快なBGM、流行りの服を着たマネキンーーー私には場違いな気がして、足が遠のいていた。

その中の一つ、カジュアルの中にも可愛さを感じさせる、そんな服を扱うショップに入った。

「いらっしゃいませ〜。」

店員さんの声にドキドキしながら店内を見渡す私は、きっと不審者レベルに違いない。

それくらいキョドってる自信がある。

お願いだから店員さん、声をかけないでと祈る。


「お、これイイじゃん。ちょっと着てみろよ。」

「え⁈私⁈」

「結愛以外に誰がいるんだよ。」


< 49 / 182 >

この作品をシェア

pagetop