結婚の約束をしよう
「え、でもそれ…ショーパンでしょ?私ショーパンは…。」

「すいませーん!試着していいっすかぁ?」

「ちょっと陵!」

ショーパンは恥ずかしいーーーそう言おうとしたけど、最後まで聞かずに陵は店員さんを呼んでいた。

「いいから履いてみろって。それと上は…このニットかな。」

また陵のペースにハマっている私は、試着室へと押し込められた。

着替えるまで、出してもらえそうにない。

「着ればいいんでしょ、着れば。」

私は諦めて、陵が選んだ服に着替えることにした。


「とっても良く似合いますよー。」

「おう。思ったより似合うじゃん!」

「…あ、ありがとう。」

鏡に映った自分、褒められた自分……何だか変な気分。

店員さんの褒め言葉は営業トークというヤツだとして、陵がそんな器用なこと出来るわけない。

単純に褒めてくれてる……それが、嬉しかった。


< 50 / 182 >

この作品をシェア

pagetop