結婚の約束をしよう
「じゃぁあたしの応援もよろしくね!」

「まかせろって。」

2人とも楽しそうでいいな…私マラソンとかホント嫌なんですけど。

毎年この日が憂鬱で、仮病でもいいから休みたいといつも思う程。


そして冷たい風が吹き込む昇降口で、

「おはよー。」

「お、おはよう…っ。」

クラスの子からのあいさつに、何とか反応できた私ーーー少しは進歩したかな…。

自然だったかな、変じゃなかったかな…そんな事ばかり気になってしまう。

まだ慣れないけど、嫌じゃない。

「……?」

「どうしたの?結愛。」

廊下でふと振り返った私に、深月が不思議そうな視線を送る。

「ううん、何でもない。行こ。」

気のせいかな、誰かが私を見ている気がしたんだ。

そんな訳ないのに…いつから自意識過剰になったんだ私は。

教室に入ると、陵は既に男子の輪の中にいて騒いでいた。



< 88 / 182 >

この作品をシェア

pagetop