結婚の約束をしよう
「ふゎぁ〜あ…。結愛、おまえも寝とけよ。」

「私はいいよ。」

陵はあくびをしながら、もうひと眠りしそうな勢いだった。

「そこ2人、担任に言いたくないから静かにね(笑)。」

ちゃんとしてないと担任に報告されてしまうのだけど、未だに報告事例がないのは、図書委員の子がこうやって見逃してくれてるから。

だから、注意されない程度にちゃんとしなきゃという気持ちが、みんなの中に芽生えるーーー陵を除いては。

私はもう一度陵を見てから、視線を窓の外に移してふうっと息を吐いた。



「寒いー死ぬ〜。」

深月が両腕をさすりながら言った。

「雪降るんじゃない?ホント寒すぎ。」

私は、曇ってきた空を見て言った。

今朝はあんなに晴れていたのに…3限目の今は、もう間もなく雲が空を隠してしまいそうだった。

そしてグラウンドには、私たち3年生が整列を始めていた。


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