結婚の約束をしよう
これからストレッチをして、いよいよマラソン大会。

グラウンドのトラックを一周してから外に出て、決められたコースを走ってからまたグラウンドに戻る。

「毎年のことだけど、とりあえず完走すればいいんでしょー?ちゃっちゃと終わらせたいね。」

「そうだねー。てか深月ヤル気満々?」

「まさかー、あたし疲れたら歩くよ(笑)。」

「私も歩こー。」

「それがいいよ。」

ストレッチしながら、私は深月とヤル気のない会話をしていた。

「あ、でも笹野くんに怒られちゃうかな(笑)。」

「…その可能性は大だね。」

応援してくれてるって言ってたし…ちょっとだけ、頑張ってみようかな。

それに、歩いたりしてたら大声で喝入れられそうだよ。


「男子はスタートラインに並べよー!」

ストレッチが終わり、体育の先生が声を張る。

「ねぇ、笹野くんどこ?わかる?」

「あそこ!見える?奥から3番目の……。」

「あぁ、ホントだ!」

どこからともなく聞こえてきた話の内容は、陵の事を探すものだった。



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